2012/02/10

林忠彦写真展







林忠彦写真展
〜紫煙と文士たち〜


林忠彦(1918〜1990)は、「昭和」という時代を代表する写真家の一人で、日本の写真界をエネルギッシュに牽引、常に第一線で活躍し生涯現役であり続けました。
戦前から報道・宣伝写真のカメラマンとして活躍し、終戦後は、混乱期の街頭や、そこにたくましく生きる人々を捉えた写真、小説家などのポートレイトを撮影し、人気写真家として知られるようになりました。特に戦後の文壇を賑わせた「無頼派(新戯作派)」の作家たちの写真は、林忠彦の代表作として知られるのみならず、多くの人が思い浮かべる個々の小説家のイメージにもなりました。銀座のバー「ルパン」の狭いカウンター席で時代を謳歌するかのような風貌の織田作之助や太宰治、雑然と散らかる書斎でレンズに対峙する坂口安吾の姿など、背景も含めて多くの人の記憶に残る作品群となっています。他に、家元・画家・財界人などのポートレイトや茶室、街頭風俗や各地の風景などを撮影したシリーズも有名です。林忠彦の作品は、ポートレイトであれ風景であれ、彼がファインダーを通して切り取った画面には、必ずストーリーが内在するのが特徴です。
今回は、林忠彦の代表作ともいえる文士のポートレイト作品から、文士とともに「たばこ」が写し込まれた作品を80点ほど選び構成しました。文士が手にし、あるいは傍らにあるたばこの姿は、さらにその文士たちの個性を豊かに演出しているようです。文士の肖像としての林忠彦の作品とともに、その時代の香りを紫煙とともに感じていただければ幸いです。

林忠彦(はやし・ただひこ)
大正7年(1918)山口県徳山市(現・周南市)の林写真館に生まれる。戦前より政府の宣伝誌をはじめ多数の雑誌に発表し、終戦後は世相や文士を中心に撮影。掲載誌は20誌以上に及んだ。日本写真家協会年度賞をはじめ数多くの写真賞を受賞。平成2年(1990)「東海道」を刊行し死去。享年72歳。

主催:たばこと塩の博物館
協力:林忠彦作品研究室
   林義勝写真事務所
   周南市美術博物館
会場:たばこと塩の博物館 4階特別展示室
開館時間:午前10時〜午後6時
    (入館締切は午後5時30分)
休館日:毎週月曜日
入館料:一般・大学生 100円(50円)
    小・中・高校生 50円 (20円)
    ( )は20名以上の団体料金
    ※満70歳以上の方は無料(要証明書)

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