2012/11/09
布と陶
石本藤雄展 布と陶 -冬-
期間:12.12.12〜12.29
会場:スパイラルガーデン
フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」のテキスタイルデザイナーとして世界的に知られる石本藤雄。フィンランドの広大な自然を題材にしながら、どこか日本的な感性を感じさせる石本の作風は、フィンランドのテキスタイルデザインの世界に新しい風を吹き込み、現在も世界中で愛されています。
一方で、1989年から現在に至るまで、フィンランドを代表する陶器メーカー「アラビア」のアート・デパートメント・ソサエティで、自身のライフワークとして想像上の草花や自然の風景をモチーフとした陶芸作品の制作を続けています。ファブリックと土、まったく性質が異なる素材を扱いながら、石本の作品には自然へのまなざしや鋭い色彩感覚など一貫した美意識が感じられます。
石本藤雄の国内で2回目の大規模個展となる本展では、石本の陶芸作品とファブリックによって、スパイラルガーデンにさまざまな表情を持つ豊かな「冬」の姿が立ち現れます。
吹き抜けから自然光が降り注ぐ円形のスペース、アトリウムには、黒い土を用い、土の質感をそのままに焼き締めた花々や、黒や白の釉薬を用いて夜の蓮池やその水面に映る月をイメージした陶芸作品とともに、広大な水辺の光景を思わせる「セランネ」を中心としたマリメッコのファブリックを展示。
凍てつく冬景色を想起させる極限まで色彩を押さえた空間がひろがります。アトリウムに隣接するギャラリーには、冷たい大地に息づく小さな命を象徴するように、色鮮やかな花のレリーフが並びます。また2階へと続く大階段(エスプラナード)には、マリメッコでの作品の中から、長く厳しい季節に人々の暮らしを暖かく彩ってきた ファブリックやシャツ、ドレスやスカーフ、生地サンプルのアーカイヴなどを展示します。
フィンランドのアートとデザインが注目される昨今、70年代からヘルシンキで創作活動を続ける一人の日本人作家の過去から現在を紐解く展覧会にぜひご期待ください。
◆開催概要◆
会期:2012年12月12日(水)-12月29日(土)11:00-20:00 会期中無休
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F) 入場無料
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
協力:Marimekko Corporation、株式会社スキャンデックス
後援:フィンランド大使館、フィンランドセンター
会場構成:小林 恭+マナ(設計事務所イマ)
グラフィックデザイン:石岡良治(enamel.)
◆関連企画■ 石本藤雄 × iittala × Spiral Café
展覧会開催に合わせ、展示空間と隣接するスパイラルカフェでは、石本藤雄デザインのファブリックをテーブルクロスに使用し、フィンランドをイメージした特別メニューをイッタラのテーブルウェアで提供します。
◆プロフィール◆
石本藤雄 FUJIWO ISHIMOTO
1941年 愛媛県生まれ
1960-1964年 東京藝術大学美術学部工芸科グラフィックデザイン専攻
1964-1970年 市田株式会社にて広告デザイナー
1970-1974年 ヘルシンキのディッセンブレ社にてデザイナー
1974-2006年 マリメッコにてテキスタイルデザイナー
1989年- アラビアにて陶芸作品制作、現在に至る
1991年 工芸工業賞受賞(フィンランド)
1994年 カイ・フランク賞受賞
2010年 フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダル受勲
2011年 旭日小綬章受章
≪主な個展≫
2008年 「On the Road」 アモスアンダーソンアートミュージアム(ヘルシンキ)
2008年 「Uniflora」 デザインミュージアム(ヘルシンキ)
2010年 「石本藤雄展ー布と陶に咲く花」 スパイラル(東京)、アルティアム(福岡)
2011年 「Flower」 アラビア・ミュージアムギャラリー(ヘルシンキ)
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