流される
小林信彦・著
自伝的三部作の最後を飾る、「時代」と「私」のメモリアル
「東京少年」「日本橋バビロン」から続く自伝的三部作の最終巻です。東京・青山に居を構え、歯科治療機械工場を経営していた母方の祖父と自分とのかかわりを中心において語られています。著者の青年時代と昭和という時代背景の記述が対位法のようにからみあっていくさまは圧巻です。そしてこれは、著者の作家としての資質がどのように胎動していたかの記録でもあるところにもぜひ注目です。
流される
- 作者: 小林 信彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/09
- メディア: 単行本
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