2013/03/11

終末の思想

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終末の思想
野坂昭如

経済が上向けば、万事好調を装う日本社会。しかし、その先には幾重にも闇が広がっている。食と農を疎かにし、物を崇め、原子力エネルギーに突っ走り……負の部分を見ずに、すべてツケを先送りしてきた、その当然の報いが待ち受けている。ならば、いかに滅ぶべきか、死ぬべきか――敗戦の焼け野原から、戦後日本を見続けてきた作家が、自らの世代の責任を込めて、この国が自滅の道を行き尽くすしかないことを説く。著者渾身の一冊。

目次
第一章 この世はもうすぐお終いだ
第二章 食とともに人間は滅びる
第三章 これから起きるのは、農の復讐である
第四章 すべての物に別れを告げよ
第五章 また原発事故は起こる
第六章 滅びの予兆はあった
第七章 上手に死ぬことを考える
第八章 安楽死は最高の老人福祉である
第九章 日本にお悔やみを申し上げる

野坂昭如(のさか・あきゆき)
1930年、鎌倉市生まれ。養子先の神戸で育ち、45年、神戸大空襲で養父を失う。早稲田大学中退後、コント台本、CMソングなどを手がける。63年、処女小説「エロ事師たち」が三島由紀夫らに絶賛される。68年、「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞受賞。2003年、脳梗塞で倒れ、現在自宅にてリハビリ中。



終末の思想 (NHK出版新書 398)


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