2013/07/11
神の島 沖ノ島
神の島 沖ノ島
藤原新也 安部龍太郎 著
玄界灘を航行する船は激しく揺れている。ふつうの人なら立って歩くことすら困難な状況の中、船の舳に立つ藤原新也は、足元を支えながら前方に見えてきた島影に挑んだ--。玄界灘の荒海に浮かぶ沖ノ島。島全体が御神体であり、女人禁制。一般の人の入島は厳しく制限され、一木一草一石たりとも持ち出してはいけないという掟を今なお守り続けている。入島の際には一糸まとわぬ姿となって海水で禊をしなければならないこの島は、四世紀から九世紀にかけて国家による祭祀が連綿と続けられてきた。古代人は島内に点在する巨岩巨石を磐座とし、日々祈りを捧げ続けてきた。奉納された御神宝は十数万。昭和になって初めてその全貌を現わした品々は八万点が国宝に指定され、今も多くの御神宝が島に眠っている。自然に対する“祈り”と“敬い”の並々ならぬ強度を目の当たりにした藤原新也(写真家)が幻想的な島内を撮影。直木賞受賞の作家安部龍太郎がこの地を支配した古代宗像一族の謎に迫る。
藤原新也
作家、写真家。1944年(昭和19)、福岡県門司市(現北九州市)生まれ。東京藝術大学油画科入学直後に国外を脱出し放浪、72年に処女作『印度放浪』を発表。さらにその後も、世界各地を放浪
安部龍太郎
作家。1955年(昭和30)、福岡県黒木町(現八女市)生まれ。久留米高専卒。東京都大田区役所で図書館司書を務めながら小説家を志し、90年『血の日本史』でデビュー。05年『天馬、翔ける』で中山義秀文学賞受賞。13年に『等伯』で第148回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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